ジャンパー 〜メイスがアナキンに復讐か!?

caf942cc.jpg 人間は「時間」と「空間」に束縛されている。
 
 時間を超越する話。タイムスリップ、タイムマシンものというのは、
映画、小説の世界では、定番というか、数えられないほどの作品が
作られ、傑作も数多くある。

 一方で、「空間」を超越して移動するというのは、「スター・トレック」
シリーズにおける「転送」とか「ワープ」。
 あるいは、「ザ・フライ」のような転送装置の開発の話とか、
劇団四季のミュージカルになった「壁抜け男」とかいろいろある。

 しかしながら、「テレポーテション」によって、パリ、エジプト、
ニューヨーク、さらにはエベレストの頂上など、どこにでも
瞬間的に移動できて、その移動する回数などにも全く制限がない。

 唯一制限があるとすれば、「移動する先の場所が明確にイメージできる」
というだけで、それも移動先の写真があればテレポートできるわけだから、
実質、無制限に近い。
 この「ジャンパー」のように、ほぼ無制限で世界中をテレポート
しまくる話というのは、非常に珍しいだろう。

 この映画「ジャンパー」の面白さは、ローマ、ニューヨーク、パリ、東京と
世界中の都市を瞬間移動して構成されるダイナミックな映像とストーリー
ということになる。

 一方で、「ジャンパー」のつまらなさは、どこにでもほとんど無制限で
テレポートできるという自由度の多さにある。

 「ジャンパー」を見た人からは、「あまりにもテレポートしすぎじゃないか」
という突っ込みが入るに違いない。

 自分だけが逃げるのは実に簡単。そこで、主人公の「恋人を守る」
という「足かせ」によって、ようやく物語はおもしろくなる。

 主人公のデヴィッドを演じるのが、スター・ウォーズのアナキン役の
ヘイデン・クリステンセン。そして、ジャンパーを抹殺しようとする組織
パラディンのローランドを演じるのがスター・ウォーズで
ジェダイ・マスター、メイス・ウィンドウを演じたサミュエル・L・ジャクソン。
 
 メイス・ウィンドウは、アナキンのせいで死んだようなものだから、
その恨みをこの「ジャンパー」で晴らそうというのか(笑)。
 いずれにせよ、明らかに、スター・ウォーズを意識したキャスティングである。

 このパラディン。犯罪行為を行うジャンパーを捕まえて殺す
というのは大義名分がありそうだが、ジャンパーの家族や恋人に
危害を加えるのはどうみてもやり過ぎ。

 というか、犯罪行為を行うジャンパーは「悪役」でパラディンは「いい者」
であるはずが、それが逆転していて、本当は「いい者」であるはずのパラディン
が悪役になっているという価値観の逆転がおもしろい。

 そして、サミュエル・L・ジャクソンの悪役ぶりがはまっている。
 彼は最近では刑事役が多いが、典型的な悪役顔で悪役を演じた方が
やっぱり様になる。

 ヘイデン演じるデヴィッドは、過去のジャンバーと比べ卓越したジャンプ
能力を持っていて、いわばジャンパーの救世主的存在。
 この辺の設定も、スター・ウォーズのアナキンの設定とソックリ。
 はたして、デヴィッドはパラティンとジャンパーに調和をもたらすのか?

 3部作の第1話ということで、「ライラの冒険」のように中途半端で
終わるのはしょうがないといえばしょうがないが、
このラストはやや物足りない。


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