JUNO/ジュノ 〜 ユーモアという防衛機制
16歳の高校生ジュノが予想外の妊娠を経験。現実を受け止めながら、出産を決意し、成長していく
さまを描いたヒューマンコメディー。
アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたエレン・ペイジの
演技は高い評価を受けていたが、その演技は評判通りに
素晴らしいものであった。
突然の妊娠に直面したジュノ。
普通だと泣き出したり、騒いだり、あるいは自分一人では
受け止められないはずだが、ジュノは事実をしっかりと受け止め、
自らの不安を独特の「ユーモア」で発散していく。
心理学の用語で、「防衛機制」というのがある。
心が危機的な状況に陥ったとき、心理的な破たんを防ぐための
防衛メカニズムで、「抑圧」「合理化」「投影」「逃避」「昇華」など
いろいろな「防衛機制」がある。
「JUNO/ジュノ」を見ていると、「防衛機制」の一つとして、
「ユーモア」を加えるべきではないか・・・と思ったくらいだ(笑)。
笑いを一時しのぎの気晴らしとして利用するのならば、それは
「逃避」にすぎないが、ジュノの場合は、不安や戸惑いといった
心理的なマイナス・エネルギーをプラスのエネルギーに「昇華」し
自らの成長エネルギーにしてしまっているところが凄い。
これだけしっかりした高校生の女の子は、
平均的なアメリカ人の高校生ではないとは思うが、
そのあまりにもしかっりとした考え方と行動力に驚かされる。
妊娠してから、生むべきか、中絶すべきかをすみやかに
決定して、どんどん行動に移していく。
そして、養子に出すことを決めて、相手先の夫婦まですぐに
見つけてしまう。
なんという、行動力。
生んだ子供を「赤ちゃんポスト」に預けたり、あるいは
生まれた直後に川に捨てたという事件もあったが、
ジュノのような考え方ができれば、そんな事件は起きるはずがない。
ティーンエイジャー、未婚者の出産の問題は、アメリカではきちんと
社会問題化しているが、日本では実際に起こった場合、
陰に隠そう隠そうとする傾向がある。
だから、ジュノのように、妊娠をカミング・アウトするなど
ありえない話で、その反動として新生児の遺棄事件が起きるし、
「赤ちゃんポスト」が必要にもなるのだろう。
そうした、未婚者の出産を問題提起する映画というと、
重苦しい感じがするが、実際はそうではなく、
予想以上に明るくカラッとした作品に仕上がっており、
随所に笑いのある楽しい作品になっている。














